無縫塔お引き渡し

muho19061.jpg長らく大府市で工事をしていました無縫塔のお引き渡しが終わりました。丁場の石を確認しに行ったのが昨年の12月。そして小叩き仕上げの確認をしたのが今年の2月基礎工事もちょうどその時期に行いました。長い道のりでしたが無事お引き渡し出来ました。無縫塔という特殊なお墓ですので、デザインの介入する余地なんて無いと思うかも知れませんが、そういう場所こそきちんとデザインしてあげないと駄目だと思うのです。新しくお墓を新設する前は、200年以上経過したお墓が点在している状態でした。どこの誰か分からないけれど、石塔は建っていたのです。これは世襲制になる以前のお寺というものがどうだったかを記すもので、現住職も大昔の記録は無いと仰っています。

muho19062.jpg新たに新設したのは3基の石碑で、一番左端は大雨改修を行った現住職の家のお墓です。創建以来約400年の間にこのお寺にご縁のあった方々を供養する為のお墓を3基にまとめるのが工事の目的。そうなるとそれぞれのお墓にある種のヒエラルキーが自然と発生してきます。最も大切なのは開山と呼ばれるお寺を開いた方。そして住職やお坊さん。世襲制になった後の現住職のお墓は最も新しい存在となります。それを静かに表現する事が大切で、僅かな石碑の前後関係や高さの違いとなって見られるようにしてあります。


muho19063.jpg一列に並んでいるだけと思われるでしょうが、それぞれ微妙に寸法が異なります。割り付けや相互の間隔も含めて全てデザインされています。400年前の創建以来建立され続けたお墓の数々が、全てリセットされた事を考えると、少なくとも100年とかいうスパンはお墓では短いと思います。やはり300年程度は大規模な災害が無い限りこのまま置かれると想像しながらデザインしなくてはいけません。300年後の事なんか誰も知らんよと言いたくなるでしょうが、とりあえず今考える最大限の想像を駆使すれば良いだけ。正解なんか無いのです。

muho19064.jpg参道からはこの無縫塔が中心に来るように配置されています。適当に並べるだけなら簡単ですが、こういった所まできっちりデザインするにはそれなりに時間を要します。墓地全体からの見え方なんて普通考えませんからね。

muho19065.jpg結局の全てのデザインを徹底的にシンプルにまとめ上げるのが大切で、その要はこういうステンレスの小物にあると考えています。10年ほど前のブログでもそこら辺を取り上げていますが、お墓の付属金物がデザインの足を徹底的に引っ張ってきます。ほとんどの石材店がこういった金物を汎用品で賄っていますが、その為に著しくデザインの質と信頼性を落としています。そもそもこういう所にネジや接着剤を使った固定をしているようでは話にならないと思います。細部の積み重ねが大きなデザインの差になるのです。和泉石材店では20年近く前からこの金具を標準仕様としてきました。お陰でデザインの幅は広がり、品質は著しく向上しました。これからも私たちはデザインを主軸に美しいお墓をご提案します。

 

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