八勝館と堀口捨巳

hassyoukan19071.jpg先日八事の八勝館に行く機会がありました。一生ご縁が無いかと思っていましたが、この歳になって念願かなったりです。建物の設計者は堀口捨巳。常滑の陶芸研究所と同じ設計者で、数寄屋建築の第一人者として優れた作品を残しています。名古屋には「か茂免」や「河文」、「松楓閣」、「蔦茂」など歴史ある料亭が沢山ありますが、建物だけの評価をすると八勝館が一番見応えがあると思います。

hassyoukan19072.jpg八勝館の靴脱ぎ石です。先端の模様は石を割る時に使った豆矢の跡です。石垣などにも見られ、人目についても良い場所に使います。意匠的にわざわざこの部分を用意したのでしょうが、こういうセンスは石の事を良く知っていないと出来ません。自然石そのままをドンと置いたのでは無く、一部に人の手がかかった痕跡があると、人間味が出てきます。


hassyoukan19073.jpg光の扱いこそこの建物の真骨頂。こういう所を眺めていると常滑の陶芸研究所との共通性を感じます。柔らかな光が入り込む事で完成する空間。見事です。こういうレベルで仕事をしている設計者に、もっと多くの人が出会えると街並みも少しはまともになると思います。人に何かをデザインしてもらう場合、一番頼りになるのはその人のポートフォリオを見る事です。そのデザインの意味やインスピレーションはデザインした本人しか分からないと思います。一体その人がどれだけの創造性を発揮し、その仕事に打ち込んでいるか。そこらを見れば依頼に値するかどうか簡単に分かると思います。誠実に良い仕事をしている人が報われる世の中になりますように!

 

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