石塔寺(いしどうじ)その1

ishidouji5.jpg五輪塔の提案をするにあたり、古い五輪塔を見に行って来ました。足を運んだのは滋賀県の石塔寺(いしどうじ)という天台宗の古刹です。奈良時代に建立されたと言われる、阿育王(あしょかおう)塔は石像の三重の塔は重文指定を受けています。石塔寺の名の通り、境内には一万基以上とも言われる石塔が点在しています。また、その多くは五輪塔で、当時の信仰がどんなものだったかという事が良く分かります。この日は天気も良く、石塔見学にはもってこいの一日。ただし、待ち構える石段はかなり手強く、見るだけで心が折れそうになります。

ishidouji1.jpg石段を登り切った先にあるのがこの石塔は重要文化財の指定を受けています。かつて渡来人が作ったと言われる石塔は、大陸の息吹をかんじさせるものの、僅かに日本的なエッセンスも含まれています。そして三重の塔の周囲を埋め尽くすのは無数の五輪塔。これが半端ない凄まじい数なのです。五輪塔好きの方にとってはもはや聖地と呼ぶにふさわしいレベル。五輪塔の数に圧倒されがちですが、奈良時代に硬い花崗岩を切削する技術や道具こそがこの地を特別なものにしたのです。古くから木地師の郷と呼ばれたのも道具を作る技術があっての事。木や石が採れるだけなら日本中どこにでもあるのです。


ishidouji2.jpg三重の塔周辺のみならず、お寺の山の大部分に五輪塔が置かれています。見渡す限りの五輪塔は圧巻。ここで気が付くのはほとんどの五輪塔は形が一緒である事です。写真を見ているだけでは意外と気が付かない、妙な均質感がここにあるのです。思いつく理由としては、当時石材を加工できる人間が限られていたため、一定の形状になりやすかった。信仰として五輪塔(五大思想)が受け入れられていた事などがあげられます。これ、現代の言葉に直すと「ブーム」になると思います。もの凄い五輪塔ブームの痕跡が石塔寺には残っています。

 

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