「からむしのこえ」

karamushi.jpg常滑のTSUNE ZUNEさんで「からむしのこえ」の上映会がありましたので参加させていただきました。この手の映画はINAXライブミュージアムで上映された「GROUNDSCAPE」以来。からむしとはそこら中に生えている草で、繊維は着物の生地になります。小千谷縮などはこのからむしから出来ています。そんからむしの生産過程や村の様子が映画になっているのですが、とにかくからむしを育て、糸にするの事がかなり大変だという事が分かります。そしてこの事業を続けるために「織り姫・彦星」制度を用意し、都心から研修生を有給で呼ぶというよくある形態で事業継続を目指しているのです。いわゆる田舎の田園風景が残っていて、映える映像にはもってこいのロケーション。そして年寄りの方の方言も加わって一層田舎具合が加速します。先祖から受け継いだ土地で繰り返し続いてきたからむし栽培。先祖のためにも続けたい地元の人々。しかし「織り姫・彦星」はそんなつもりでやってくる訳ではありません。ですからここ数年は募集をかけても人がなかなか来ないと言います。墓石屋さんからするとそりゃ来ないでしょうとなります。自分の先祖も守りきれず墓を無くしてしまうこのご時世に、継続する事ありきの事業では逃げちゃいます。全国でこの手の事業が行われていると思いますが、ほとんどが経済的に破綻していると思います。ですから「からむしのこえ」の一番の問題は単純明快で、経済的に自立出来できていない事です。各種補助金を使わなくても自立出来るような事業を目指さないと、どこかで途絶えてしまうでしょう。舞台となった福島県昭和村は美しい自然と景色が残る素晴らしい場所です。その自然も人々がコツコツ耕し、手を入れてきた賜。からむしと運命を共にしているこの土地の未来に必要なのは優れた経営者かも知れません。

 

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