和泉石材店

BLOG 「一言石句」

姫路城

DATE 2021.09.03

himeji08241.jpgお盆に姫路城へ行って来ました。見ておきたい石がありまして、その願いも叶いました。今ほどではありませんが、お盆もコロナ禍で観光客は激減。とにかく丁寧に見学出来ました。雨降りとあって余計に人がいない+濡れ色の凝灰岩が余計に判別しやすくて最高でした。真っ白過ぎてびっくりした漆喰は、何だかエイジングが進んで違和感無し。相変わらず美しいお城です。20年位前仕事でよくこの辺りを歩いていました。姫路駅周辺はかなり整備され、当時の面影がありません・・・。

himeji08242.jpg凝灰岩は花崗岩のように硬く無いので加工はまだ楽だったでしょう。近くで採掘されていて加工もしやすい石は重宝がられたと思います。もちろんさっさと造らないといけなかったでしょうし、じっくり造るような余裕は無かったと思うのです。改修工事の痕跡も見受けられますが、突貫工事の痕跡も場所によっては残しておくべきかと思います。そういう勝手な想像をしながら見ていくと本当に面白いです。

himeji08243.jpg有名な姫路城の油壁です。秀吉の時代に出来たと言われていますが、白壁だらけの姫路城において異彩を放っています。秀吉もそうですが、戦国大名は石の入手にみな苦労しています。信長は安土城を築城する際、百済寺の石を運び出していますし、とにかく石がないと建物が出来なかったのです。石工の苦労たるや相当だったでしょう。それに比べ今の石材事情は平和そのもの。奪ったりしなくてもみんな待ってくれますから・・。