ピニンファリーナ
DATE 2009.08.05
先日江南の花音さんで売られていたローレターナの美しいスパークリング・ウォーター。デザインを手がけたのはピニンファリーナです。美しい曲線を描く瓶の側面には、車好きなら一度は見たことのあるピニンファリーナのロゴが入っています。もはやこれだけでも購入に値します。何なら飲まなくてもいいんです!
ピニンファリーナはイタリアのカロッツェリアと呼ばれる「工房」で、いわゆるデザイン事務所とはちょっとスケールが違っていて、デザインや開発、その製造まで手がけています。こういった流れはかつて馬車の時代、台車の上に乗る車体部分は顧客の好みの架装を施していた事に遡ります。大量生産時代になって急激に衰退しましたが、未だにこの名残があるんです。イタリアではカロッツェリアと呼ばれていますが、イギリスではコーチビルダーと呼ばれ、同義語として扱われています。ヴァンデンプラ・プリンセスで有名なヴァンデンプラ社はベルギーで生まれたコーチビルダー。ロールス・ロイスなんかは、パーク・ウォード、HJマリナー、ジェームス・ヤングなどもの凄い数のコーチビルダーが仕立てていました。しかし今やイギリスのコーチビルダーはほぼ全滅状態。残っているのはイタリアの会社ばかりです。
ピニンファリーナの中で一番好きな作品は、ダントツでチシタリア202。馬車の時代と決別した記念すべき車です。似たり寄ったりのデザインが多い今のカーデザインですが、馬車から化石燃料車へと変化したときのようなデザイン競争がこれから起こるのでしょうか。花音さんで買った1本の瓶は、柔らかいカーブがチシタリアのデザインを彷彿とさせました。