一時期我が家に在籍しておりました。後にも先にもこれ以上壊れる車は無いでしょう。しかし、もう一度乗りたいと思わせる妙な魅力にあふれた、不思議な車なんです。この車の購入時に比較したのは初代フィアット・パンダ。ジウジアーロデザインの傑作です。誰がどう考えてもパンダ買うと思います。が、あえて大外し。もちろん壊れまくりましたが、ハイドラガス・サスペンションという凝った足回りのお陰で、その乗り味は他に無いものでした。このハイドラガス・サスペンションはハイドロフルードという液体を使ったサスペンションで、定期的にハイドロポンプという機械で液体を充填する必要のあるものでした。充填しないとどこかのシャコタン車と同じ程度の車高になってしまう、実に恐ろしいシステム。こんな紙一重の仕組みが織りなす乗り心地は・・・素晴らしいんです！　独特の柔らかさが何とも心地よく、しっかりとしたシートと相まって独特の乗り味を醸し出していました。デザインは圧倒的にパンダでしたが、こと乗り味に関しては断然114に軍配が上がります。ローバーには、シトロエンのエンジニアを尊敬する人間が多かったようで、かなりシトロエンの影響が大きいです。しかしそこは英国のメーカー、内装なんかはしっかりと英国車の伝統を踏まえたデザインになっていました。出来る事ならもう一度乗ってみたいんですよ・・・・。