中村好文 小屋においでよ!
DATE 2014.08.05
金沢21世紀美術館へ出向いた主目的はこちらの小屋見学です。ミニマムな空間設計こそ設計者の実力が問われるというもの。どんなに建物の規模が大きく立派になっても、トイレの設計がいい加減な建物は全く駄目駄目です。というか、規模の大きさと建築としての密度は反比例するケースが多いと思います。例外はもちろんありますが、どうにもそういう傾向にあります。今回の小屋の設計者である中村好文さんは、住宅などの小さな建物を多く手がけています。この小屋にはそんな設計者の個性が全面に発揮されていて、見ていて楽しい気持ちにさせられます。小屋=ワクワク。そんな感じでしょうか。一枚の大きな木製建具を開けると、小さな小屋の室内が外部と繋がります。これだけでかなりのワクワク感。
室内にはシェーカーチェアが置かれています。匿名性が高く、シンプルで美しい椅子と言えばこれでしょう。この小屋のコンセプトと重なる部分が多く、この椅子以外には考えられない組み合わせ。程よい窓の大きさと天井際の本棚。個人的に本棚は非常に大切な意味があると思っています。住宅の中に本棚のスペースをきちんと設け、かつその場所を念入りに検討している人達がどの程度いるでしょうか。特に小屋では読書する事も多いと思うので、こういったスペースは大変重要。
小屋の中で面白かったのは暖炉・・・では無くて冷蔵庫。暖炉の奥に見えるキッチンにあるのですが、妙なラッチの付いた開き扉がそれです。今でもお鮨屋さんや、天ぷら屋さんなどで使われているケースがあるそうですが、氷で冷やす冷蔵庫なんです。湿度が保たれるという大きなメリットがあるため、魚介類や野菜の保存には大変好都合のようです。いやはや夢があるではないですか。面倒だとか色々思う方もいると思いますが、創意工夫をする事が大切なんで、便利な山小屋なんて本末転倒。普段の生活をリセットする意味でも、ちょっと足りない位が丁度良い。今月末までの会期となっています。ご興味のある方は是非のぞいてみて下さい!