本
DATE 2009.06.07
ちょっとオススメの本をご紹介します。先日鳥羽の「海の博物館」へ行った際、内藤廣さんの「構造デザイン講義」を購入しました。構造という切り口で歴史的な建築から最新の建築までを解説しています。更に木造・組積造・鉄骨造・RC造等、構造材の種類別に解りやすく特徴が述べられています。例えば組積造では、パリのシテ島にあるノートルダム大聖堂が挙げられ、ゴシック建築の特徴である尖頭アーチやフライング・バットレスの意味が解説され、結果として独特な建物内の雰囲気に結びついている事が理解できます。建築の知識の無い人でもじっくり読めば「なるほど」という事になると思います。
もう一つのオススメは「食べ物さん、ありがとう」です。栄養学で著名な故川島四郎教授の文章にサトウサンペイが挿絵を担当。本文は川島教授を「先生」、サトウサンペイを「生徒」とみたてて展開されます。中でも一番のお気に入りはイギリスについての川島先生の話です。栄養学的見地でイギリスを見ると、紳士の国というのはイギリスの大地が水成岩であることに由来するようです。水成岩とは海底に色々なものが堆積して出来る岩石で、カルシウムを初めとする様々な成分が含まれています。そんなイギリスの大地において、人々は自然とカルシウムを摂取しています。つまり、紳士的といわれる人格形成において、カルシウムが大きく作用しているという訳です。歴史的にも、700年以上前に制定されたマグナ・カルタ(英国の憲章)以来、議会で喧嘩した事がないとか、色々面白い話も出てきます。そして最後に、ユーモアやジョークといった文化の根底はまさにカルシウムであるという事で結んでいます。漫才文化の関西はカルシウムの摂取量が多いのだろうか?気になりますね。