和泉石材店

BLOG 「一言石句」

コエダハウス

DATE 2019.09.11

koeda19081.jpg熱海に行ったのでコエダハウスを拝見しに行って来ました。設計は隈研吾。施設を運営するのはアカオリゾートです。この日は雨降りの平日でしかも有料にも関わらず沢山の人が来ていました。映えの時代を象徴する建物で、皆カメラ片手にパシャパシャ写しています。マイクロバスで建物の間近まで送迎がありますので、アクセスは非常に良いです。そして景色は無論最高。建物の中心に木の幹を思わせる井桁状に組まれたフレームがあり、その上に屋根が乗っているようなイメージになっています。実際には炭素繊維のワイヤーが張ってあったりしますので、純粋に見た目のままが構造として機能している訳ではありません。私が一番興味があったのは空調です。こんなガラスの箱を空調するのはかなり難しいのではないかと思ったのです。そもそも空調の機械は建物内には見当たりません。

koeda19082.jpg建物の空調は床下から吹き出していました(写真のスリット部分)。つまり床下を設備系の配管があっちこっち渡っているのです。

koeda19083.jpgそして室外機はやはり目障りと判断されたようで、離れたトイレの袖にありました。エアコンの室外機等は見た目が10年前とほぼ一緒。今も昔も見せたくない存在の代名詞。音の問題で隔離するなら分かりますが、見た目の問題であっちいけという話ならいい加減どうにかしてほしいもんです。コエダハウスの内部には結局サーキュレーターや扇風機があちこちに置かれています。折角のデザインもこういう設備の機能不全で台無しになってしまいます。

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空調機器はもっとコンパクトに、もっと静かに、もっと美しくと、どんどん進化しないといつまでも邪魔者のまま。見た目最優先の建物ならなおさら見えない所で快適環境を支えて欲しいと思います。ガンバレエアコン。