和泉石材店

BLOG 「一言石句」

茶の湯のススメ

DATE 2009.06.29

iki.JPG「茶の湯のススメ」は、先日ももぐささんで購入した書籍です。何やら英国のマナーハウスで行われた茶会の模様が載ってました。確かに薄暗い英国のマナーハウスには、茶室と似たような陰影があるように思われます。面白かったのが、英国人が茶会を「ホワイト エクスペリエンス」と表現していた点です。西洋の文化では白=無と思われる所があります。建築からプロダクトまで、要素をそぎ落とすと白であるというのが傾向としてあります。しかし、茶の湯の文化では白=無で無いのは明白。この辺りは禅の文化を少し学んでおく必要があるかもしれません。禅の考え方が茶の湯の根底に流れている訳ですから、そこを西洋の人々に伝えられると、更なるエクスペリエンス:経験を生むのではないでしょうか。

「いき」の構造は九鬼周造の名著。粋という言葉をあらゆる見地から分析します。衣食住はもとより、趣味や思想、デザインや音楽といった多分野に渡って粋を分析しています。Apple社のデザイナー曰く、日本人が頻繁に用いる「かわいい」という形容は英語には無いそうです。「lovely」だとか「pretty」では形容しきれない、非常に含蓄のある言葉で、物には命があるという日本人の考え方がその一言に現れています。粋という言葉も同様に日本にしかない言葉です。恐ろしい事に格好良すぎると「野暮」などと言われ、粋とは正反対の世界に分類されてしまいます。粋を極めるにはお金では決して買えない「センス」と「知性」が必要。粋な人間になりたいもんですね・・・。