和泉石材店

BLOG 「一言石句」

古刹と改修

DATE 2022.03.05

33.jpg三十三間堂をウン十年ぶりに拝見しました。お堂の前に広がる庭?が大改修されていました。問題はその改修内容。石工事だけに的を絞ってお話しすると、一体何の目的で、何を手本に改修したのかさっぱり分かりません。過去の景観に戻したとか、そういう目的ならあまりに石工事がお粗末。京都なので妙に期待すると完全に裏切られます。

kiyomizuX.jpg一番厳しいのは清水寺。写真にはあらぬ改修方法がされた石材があります。1つは石材の固定をステンレスアンカー丸出しで行っていること。これは境内の至る所で施工跡が見られます。更には石垣にセリ矢の後が丸見えなんです。セリ矢という道具が生まれた時代を考えると、清水寺では使うべきでは無いと思うのです。施工した石屋はどう考えているのか。十分なコストが割かれなかった可能性もありますが、世界的な観光スポットでこの改修は無いだろうと思うのです。正直理解不能です。ちなみに現代の建築はもの凄く頑張っています。今成せる最高の石工事がされています。それはこの後の国立博物館で詳しくご紹介します。