和泉石材店

BLOG 「一言石句」

山小屋

DATE 2010.08.26

koya-1.JPG毎年お盆は仕事で休めません。彼岸も同様です。お盆が終わった後に隙を見てヨメの実家へ里帰りする訳です。滞在先は義理の父が所有する山小屋。兵庫県のちょっとした山の中にある本当に小さな小さな小屋ですが、現実逃避?にはもってこいの場所なんです。何と言っても一番の売りは電波が届かない事。携帯というしがらみから解放される平穏な生活が味わえます。但し、前倒しで猛烈に仕事を進めておく必要があります。遅れている仕事を抱えながら電波の無い地域に行く度胸はありません・・。今回は半年以上行っていなかった為、植栽の剪定等々の仕事が待っていました。友人の造園家に頼んだ植栽も、いよいよ木としての生命感が出てきて、家と馴染んできました。周囲に現れる鹿に食べられてしまった木もありますが。

koya-2.JPGこの小屋にあるキッチンがコレ。畳3枚に全てを押し込みました。この向かいに流しや食器収納の為の場所があります。必要最低限のスペックですが、これ以上何もいらないと思っています。ちょっと足りない位が山小屋生活には良いのです。満たされた普段の生活に対するアンチテーゼとも言えます。本当に色々な人がここで腕を振るってくれました。これだけの設備と調理器具でも美味しい料理が沢山作れてしまう。少なくとも豪華なシステムキッチンで無くとも旨い料理が作れてしまう事は証明されました。結局のところ、料理は気持ちなんですよ。小さくとも、楽しく、シンプルに生活出来ればより豊かに暮らせるのです。

koya-3.jpg山小屋の楽しみの1つはこのスピーカー。自分がデザインを担当したスピーカー。山小屋のシンプルさを象徴するようなスピーカーで、躯体は特殊配合のコンクリートで出来ています。12センチ立法のサイズに、Fostexのフルレンジスピーカー1つで構成されたこのスピーカー、サイズを超えた音の広がりがあります。もちろん、密閉型ですのでそれなりに低域の音の再現には限界がありますが、他のどのスピーカーにも真似出来ない独特の音色を奏でます。経年変化で程よく汚れ、何とも言えない雰囲気が出てきました。今や突板のスピーカーが殆どだと思いますが、そういったスピーカーに経年変化による「風合い」は求められません。スピーカー部分だけ交換するのも比較的簡単に出来ます。エッジが劣化したら交換も出来ますので、非常に長く愛用できるのも魅力です。いわゆるGマークにもエントリーし、かなり上位に入る事が出来ました。色々と思い出深いスピーカーなんです。ちなみにコレ、製品開発中のプロトタイプで、内部が過剰スペックになっています。それがプラシーボ効果となり自分の耳に良く聞こえたりする訳です・・。