軍モノ
DATE 2010.10.25
CHAISE caféにご協力頂いたsonorite’さん。今は茨城県龍ケ崎市に移転されています。カフェに出して頂いた商品のうち、個人的に買ってしまったものが何点かあるのですが、これがその目玉なんです。一応雑貨のコーナーに何の解説もなく置いておいたのですが、ついに誰にも買われず我が手中に!スイス軍の測量セットです。もちろん軍モノですので見栄えなんか一切気にされていません。つまり良く見せようとか、売れるようにしたいとかいう欲がそぎ落とされたデザインなんです。そこにあるのはただただ測量を効率よく淡々とこなすための配慮だけ。それが私にとっては資料性が極めて高かったりします。
中を開けると以外や以外、シンプルな構成になっています。右側の定規は「その場で平行定規」になっていて、如何にもモバイルセット感丸出し。筆箱もアーミーカラー、その中に鉛筆+消しゴム、外にも鉛筆、三角定規に解説書。これでは製図しか出来ないではないかと思うでしょうが、解説書には測量の仕方がしっかりと記載されています。ここは軍事機密が沢山含まれていそうなんで写真は公開しません(ウソ)。解説書が3冊入っていまして、それぞれ言語が違います。イタリア語的表記のモノと、ドイツ語的表記なモノ、更にフランス語的な表記なモノがあり、スイスの言語が複雑に入り交じっている事を物語ります。
更に更に中をよ〜く見ると、鉛筆はファーバーカステルとカランダッシュが入っています。ファーバーカステルの方は初めて見る商品。2251シリーズで、「FOR GLAS,METALL,PLASTIC」とあります。つまりカランダッシュが紙用の鉛筆で、カステルはカランダッシュが書けない特殊な場所へのマーキング用だったのです。ああ素晴らしいよ軍用。意味がちゃんとあるのだね。機能を突き詰めた結果、この測量セットはグッドデザインになりました。無駄なモノが一切無く、無欲なデザイン。だけど軍用ですのでその背後には緊張感がある。シンプルだけど複雑。sonorite’さんありがとう!