和泉石材店

BLOG 「一言石句」

若松葉蟹のお一人さま鍋

DATE 2011.01.26

kani.JPGこの日は夫が新年会に出かける日でした。このところだいたい家でご飯を食べてたのにこんな日を選んだかのように、私の実家から超が付く生モノ「若松葉がに」 が届きました。しかも生きています!えらいこっちゃです。実は数日前に母から「蟹送るけどいつ届くかわからんでー」と、まるで爆弾を投下されたような連絡を貰ってたのでした。なんでも発注すると、日本海側はこのところの大雪でなかなか漁に出られていなく、いつ発送されるかわからないということだったのだそうです。それを聞いてからできるだけ予定をいれないようにしていたのですが、選んだかのようにこの日。トホホ。名古屋辺りでウロウロしようと考えていた私の予定を急遽変更、義父母に貰っていただいて、私は一匹だけ貰い、うちでお一人さま鍋を敢行することにしました。

takeonabe.JPG若松葉蟹というのは1月中旬から3月中旬までしか獲ってはいけない、脱皮して間もない殻が柔らかい松葉ガニです。水気が多く、身は味が薄くて少なく、、、と書くと良いとこ無しのようですが、これがこの時期しか食べられない味で、身が柔らかくて美味しいのです。ちょっとした珍味であります。刺身が特に美味しい!!せっせと蟹をさばいて用意。小さめの鍋に昆布だし、そこにきれいにした胴体と足の付け根を入れます。後に蟹エキスたっぷりの雑炊にする為です。足は刺身としゃぶしゃぶにしていただきます。ビールも忘れずに!あれ?この光景どこかでみたことあると思ったら、実家にいる父でした。父は酒飲みでグルメ(今はあまりできませんが)でしたので、ご飯でも私たちと同じモノは食べず、せっせと酒のアテになるものや自分の食べたいものこまめに自ら用意していました。みんなは別のものを食べる中、父は一人鍋をしてちびちびとやっていて自分の為に用意したものを人によく勧めてきたな〜とか父を思い出しながら準備しました。ここにはありませんが手拭きも忘れてはなりません。あと薬味も!父のお一人様鍋は準備周到だったのに私は忘れ物が多い。まだまだです。

kanisashimi.JPG手の部分の刺身です。殻が柔らかいので、普通の包丁でもこのようにすぐにできます。ハサミの部分は身が取り出しにくいので、鍋に入れて火をいれます。雑炊のために身をほぐします。足の部分はこのまま食べるより、

icewater.JPG氷水に浸してしばらく置くと、このように身が花が咲いたようにフンワリきれいな形状になります。塩気も良い感じに取れて食べやすくなります。

shavushavu.JPGしゃぶしゃぶにするともっと花開きます。とにかく身が柔らかいので、松葉ガニとはまた違う食べ物みたいです。あっさりして美味しいです。汚れなき味。こんな汚れを知らない純粋な若い蟹が、30を過ぎた女に一人鍋で食われるとは。とても悪いことをしている感じがしてきます。ところで松葉ガニの肝心なミソですが、若松葉のミソは食用にはならないそうです。食べられないことも無いそうですが、独特の風味は皆無。年を重ね、何でも頭を使うと味が出るのですねー。

shime.JPG最後はシメの雑炊です。もうこの時はビールも進み、ある程度イイ気分でしたので、一口食べた後の写真で失礼します。蟹味噌の味がない分、究極のアッサリした雑炊ですがしっかり蟹の風味がします。帰ってきた酔っぱらい(夫)に食べさせてあげよう。いやはや思わぬご馳走でありました。色々と忙しいのに遠くの私を気にかけてくれてこうやって何かとしてくれる母には常に元気を貰ってます。ありがたい限りです。また送ってね。