和泉石材店

BLOG 「一言石句」

おじいさんのランプ

DATE 2019.02.21

nankichi1902.jpg私たちが住んでいるのは常滑市大野町です。新美南吉の「おじいさんのランプ」には大野町がえらくハイカラな土地として出てきます。いち早く電気が引かれ、時代の先端を行くという設定。大野町にはその昔、大野鍛冶と呼ばれる鍛冶屋さんが沢山いたり、レストランや旅館が何軒もあったようですが、そういった港町特有のハイカラさが前面に出たお話です。この話の根本にあるのは経済の話。パソコンが出て印刷業界に大革命が起こったような、経済の転換期に対する警鐘のようなものです。南吉の凄いのは29才で人生を全うするまでにそういう視点を持っていたという事。そして常に知多半島の風景が思い浮かぶような文章になっています。時を超えて今なお通用する経済の本。大人の為の童話です。