和泉石材店

BLOG 「一言石句」

母に逢う

DATE 2023.02.07

コロナ禍に突入して3年経ちました。これまで世の中はあらゆる経験しながらあらゆる厳しさにみんな耐えてきました。終わりが見えるのかよくわからない状態ですが、数年経てば慣れて来た感があります。しかしながらお年寄りの施設や入院している病院における環境は、世の中の締め付けがゆるくなれば、それに反比例していると思いました。コロナ禍であろうがなかろうが、患者・入居者とそこで働くスタッフや医療従事者との距離が絶対的だからです。難病を抱えた母が転院した病院では、患者を守るために厳しい厳しいきまりがあります。病院とのやりとりは基本的にキーパーソン1人、今際の際になると家族が会うのが、1日1人5分間という規則です。先日母が急変し、人工呼吸器に切り替えることになりました。ここ数年は弱り続け、父の死後であってもつらい状況でも前をむいていた母なので、もうあと数年は頑張ってくれると、こんな状況になるなんて疑いもしませんでした。それでも消えそうになる母の命の前に立つことすら出来ない、消えないでと励ますことなんてとんでもないという病院の規則です。母の身体の状態から、転院の受け入れがこの病院しかなかったので、この規則も承知の上でしたが、急に訪れたこの状況に自分の認識の甘さを痛感しました。同時に医療現場の過酷さを、自分はどこか人ごとのように感じていたのだろうなと思いました。キーパーソン以外の上の姉以外の下の姉と私も呼ばれ、5分逢うことが出来ました。5分間、ありったけの思いを伝えてきました。母はまばたきで返事ができるので意識はしっかりあるようです。そしてありがたいことに、母は人工呼吸器に切り替えたから逆に酸素が上手く身体に行き届いているのか、現在は一時より落ち着いています。本当に感謝です。このままなんとか頑張ってくれて、同時にコロナが弱まり、とにかく家族が母に逢えることをずっと強く祈っています。