出石にある静思堂を見に行きました。設計者は宮脇檀。静思堂は斎藤隆夫記念館という建物の事で、地元の政治家の記念館でもあります。出石に点在する宮脇作品の中でも最高の完成度と思います。

1983年竣工とのことで、維持管理には苦労されているようです。当日も地元の方が庭木のお手入れをされていました。ちなみに壁面の色はこの地の土壁の色。出石の気候風土を取り込んだ秀逸な設計。

屋根の勾配や軒の感じが絶妙。本当に隙が無い設計です。妙な納まりは何一つありません。シンプルでごく自然。現場の監理が徹底していないとこういう建築は出来ません。経年変化も穏やかで、もの凄く洗練された印象があります。

住宅設計の第一人者である宮脇さんのスケール感はこの建物を際立てています。もの凄い密度を感じます。斎藤隆夫さんも素晴らしい方でしたが、それを建物が見事に体現。久しぶりに清々しい建物を見る事が出来ました。