とりあえず摩尼殿を見る前に杉本博司さんの五輪塔を見るためにどんどん登ります。
登った先にあったのはまさに数々の映画のロケ地で大活躍な大きなお堂。仕事柄大きな伽藍のお寺は数多く見ています。ところが圓教寺の伽藍はちょっと雰囲気が違います。それが何なのかという話ですが、この場所で流れた時間が視覚的にも感覚的にも感じられるという事だと思います。

黒田官兵衛が秀吉に本陣を圓教寺に移すようアドバイスをしたそうですが、そういう戦のイメージも何故かあるのです。伽藍の巨大さ具合から人が沢山いた事を想像させるのと、開口部が閉じられるようになっているので、ある種の城的イメージを持たせる要素があります。

こちらが杉本さんのガラスの五輪塔。水輪の中に写真家としての杉本さんの代表作「海景」が入っています。複数の五輪塔全てに異なる海の写真が入っていて、阿弥陀如来像を取り囲んでいるのです。