和泉石材店

BLOG 「一言石句」

お仕事風景(基礎工事編)

DATE 2009.11.03

genba1.JPG今日は基礎工事担当の東府建設さんへ朝から集合。前日仮組しておいた鉄筋やスリーブを持っていざ出発。東府建設さんのカンパニーカーであるシトロエンC4ピカソのリヤハッチが開閉不能になるトラブル意外は全て万全。シトロエンが早く直りますように・・・。

genba2.JPG今回の現場は知北平和公園です。知北平和公園は、東海市、大府市、東浦町の公営墓地で、相当競争率の高い墓地なんです。知多墓苑なんかに比べると、比較的自由な設計でお墓が建てられます。自由さ故に妙な見栄の張り合いもあり、良識とモラルが問われる墓地ではあります。現場に到着したら真っ先にするのが「養生」であります。工事現場の綺麗さはこれにかかっています。散らかしっぱなしの現場は大嫌い!なんです。公共墓地でのお仕事はあまりないので、他の石屋さんの事はよく解りませんが、「現場の汚い人=腕が悪い」の公式は石屋さんにも当てはまります。

genba3.JPGおおよそ人の勘は外れるもの。どんなに慣れてもレベル確認は慎重に。現場の精度としてプラスマイナス5mmを目安にしています。もちろんそれ以上の精度も十分可能な技術はありますが、ことお墓の現場ではこれくらいで十分です。今回の墓地も区画をしているブロックの勾配がおかしい事が判明。これは後に石工の腕でカバーします。

genba4.JPG200mm程床堀りすると、下から単粒の砕石がゴロゴロ出てきます。単粒の砕石は転圧してもなかなか締まらないので、私たちは単粒の砕石は使いません。石と石の隙間から砂が流れてしまい、長い時間をかけて沈下する原因になります。非常に単純な話ですが、これを間違えると後々えらいことになります。
床堀りした時点で転圧し、おおよそのレベルを確認します。

genba5.JPG転圧を終えたところで砕石投下。これをまた転圧かけて締めます。ひたすら何度も転圧し、真っ平らになったらようやく床堀完了です。

genba6.JPGここでようやく前もって用意しておいた鉄筋やスリーブが設置されます。メッシュ筋は線径6mmです。石碑の荷重やら考えてもこれだけあれば十二分。鉄筋の径よりどちらかというとかぶり厚さの方が大切です。ずれないようにメッシュ筋同士をしっかり結束します。

genba7.JPG出来上がりがコレ。最低かぶり厚は50mm。午前中はここまでで終了。いよいよ午後は生コン投入。

genba8.JPG生コンはプラントから運んできます。ちなみに今回の基礎工事を行った近隣墓地区画でも沢山基礎工事がしてありましたが、「コンクリート」を使っている所はゼロです。皆「モルタル」です。多分現場でセメントと川砂を混ぜてチョコチョコっと練ったのでしょう。建築の世界では知らない人は皆無ですが、未だに「コンクリート」と「モルタル」の違いが解らないまま現場で作業している人がいるようです。もう少し職人さんの教育に力を入れてもらいたいものです。モルタルのスラブなんかビックリマンチョコみたいに割れてしまいますよ。

genba9.JPG生コンだとこんな感じ。大小様々な骨材が入り交じっていて、見てからに大変そう・・。東府建設さんの職人さんがひたすら鏝でならしていきます。型枠周辺に隙間が出来ないように丁寧に丁寧に。モルタルだとこんなに苦労はしないでしょう。骨材が入ってませんからね。ただ、強度は雲泥の差です。お墓の場合、小さな区画の中でスリーブの位置を合わせたり、精度を出さなくてはなりません。何事も基礎が肝心と言います。ここで失敗したら全てが台無しなんです。

genba10.JPGこれでようやく完成。写真の陰の長さを見れば如何に時間がかかったかお解り頂けますかね。朝9時〜夕方4時撤収完了。時期的に養生にはあまり気を遣う必要がありませんが、夏場ならシートで覆ったり、天気や気温に合わせて対応しないといけません。石碑の工事は年明けです。コンクリートはこれから強度をググッと上げて、年明けには重い石の下敷きに。カロート部分は後日カバーを付けて隠してしまいます。スリーブにはゴミが入らないように瀬戸砂利を入れて。これでようやく基礎工事全て完成。お忙しい中施主様も現場に来ていただきました。やはり実際の現場を見て頂くのが一番です。ありがとうございました。
ちなみに毎回基礎工事を依頼している東府建設さん、色々と渋い住宅とか手がけています。ご興味のある方はWEBをご覧下さい。

http://www.tobu-construction.com/