教科書
DATE 2010.12.11
大学時代に教科書として使っていた書籍ですが、今のお仕事にも色々と役に立っています。まさかお墓の仕事をしているのに何でと思うでしょうが、相当に助かっているのです。最近のお墓は、納骨室(カロート)が通気するようにしています。その場合、四角い密室に何カ所か穴を開けて、そこから空気が通るように細工を施します。ところが殆どがただただ穴を開けているだけなので、実際には通気していない状況になります。空気の自然対流には温度差が大切で、そこらへんを加味した設計を見かけたことがありません。空気調和の基礎知識にある話を知っていれば、比較的簡単に解決できるハズですが、なかなか出来ないものです。
最近花立てを石碑本体に取り込んだデザインをみかけます。ではその花立ての水って何処へ流れて行くのでしょうか。まさかカロート内に流れてしまうような設計にはなっていないはず。流れているとしたらそれはよろしくない設計です。たった1つの水の流れを処理するのにもかなり大変なんです。それこそ基礎工事の段階から検討しておく事項。住宅であれば、基礎工事の前に給排水や電気のルートは決まっていないといけません。お墓の業界はこういう基準というかルールがありません。まさに何でもありの世界。生コンの仕様もしかり、鉄筋のピッチも決まっていない。ましてや納骨室の換気回数の目安も無い。あるのは石屋さんの「勘」だけ。それは決して知識に裏付けされた「勘」ではありません。当たるか外れるか、お客さんを巻き込んだ賭けを日々繰り返しているのです。私たちは賭はしません。そんな危ない橋は渡らず、きっちり調べます。過去の知識を紐解いて、毎回最善の回答を繰り返しています。