和泉石材店

BLOG 「一言石句」

昔のデザイン

DATE 2018.12.17

Alpha181.jpg最近車のデザインがどんどん悪くなっているような気がします。懐古主義とか言われてしまいそうですが、いわゆるクラシックカーを眺めていると一層そんな気持ちが強くなります。昔は技術的に出来なかった事が、今や何でも出来そうな雰囲気です。曲面の加工やメッキの技術、そして加工精度もケタ違い。ところがその技術を見せびらかすようなデザインが増えすぎています。大して耐久性も無いようなメッキパーツを多用し、数年後には見るも無惨な姿になってしまったり、必要も無い曲面を多用し、実用性を著しく犠牲にする割には美しくも何とも無いデザインが溢れています。もちろん先端技術を表現するのは大いに結構。その昔テクノロジーの権化みたいな車も、今クラシックカーとして評価されている車は多々あります。じゃあ何が現代の車と違うのかとよく考えて見ました。

Alpha182.jpg以前にブログに記したスペン・キングはデザイナーでは無く技術者でした。彼の手がけた初代レンジローバーはSUVの傑作とされています。しかしデザインをまとめるためにスタイリストが別にいました。自分なりの浅はかな考えかも知れませんが、デザイナーが自由に技術を使えすぎているからと思うのです。新しい技術を使うためにはその門番とも言うべき技術者がいたため、簡単には引き出せなかった技術が、解析技術の発達で可視化が進み、デザイナーがそれを比較的簡単に使えてしまうのかなと。例えば初代レンジローバーの場合、機能上不要な装飾が無いデザインになっているのは技術者主導だった証拠。あまりに殺風景だったのでスタイリストが上手にまとめたという感じ(実際にそうだったようです)。今やデザイナーがクネクネした図面を描いてもいともたやすく試作が出来てしまいます。多分この先妙な曲面を多用しまくったモノが世の中に溢れかえって来ると思います。曲面である理由の大半は今まで出来なかったから使ってみるという安易なモノ。デザイナーが使えるテクノロジーが増えるのは良い事だと思いますが、技術者も安易に渡してはいけません。相手は人間です。皆が理性と良心を併せ持った仙人ではありません。そんな訳で、新しい車に全く魅力を感じなくなった加齢オヤジの戯言でした。