和泉石材店

BLOG 「一言石句」

素材

DATE 2024.08.02

建築の世界において、使う素材の選定は設計者の技量とセンスに直結しています。単に良い素材を使えばいいわけでもありません。必ず予算や工期という制約が入るので、理想ばかり追い求めていてもダメなんです。旅館のような建物の場合、100年とかいう時間は割と普通に過ぎてしまいます。時間に耐えうる素材かどうかも吟味しなくてはいけません。

木という素材は圧倒的な実績があります。東大寺も法隆寺も木造ですから。安心安全な素材。特に檜は良いです。今の建物は杉が主な樹種。残念ながら檜とは比べものになりません。

床に敷き詰められたタイル。配色といい素晴らしい。ちなみに湯之島館の卓球スペースの床がコレです。タイルも素材としては良いです。土を感じるので木材との組み合わせも違和感がありません。

コレがトイレの床。一番端っこがミソで、サニタリータイルが使われています。お掃除しやすいようにと設計者がわざわざ選んだはずです。ちなみに石材は浴室や外構に沢山使われています。特に浴室の黒御影石はスウェーデンの黒御影石でした。ある時代に沢山使われたスウェーデンの黒御影石。今では超高級石材になりました。歴史ある建物に泊まる良さはこういう目の保養が出来ること。新しい建物では基準法の改正等もあって出来ないことが多いのです。お盆休みを歴史ある建物に泊まってみてはどうでしょうか。きっと良い素材に出会えます。