出雲大社
DATE 2011.05.03
出雲大社は学生時代から一度は行ってみたかった場所で、個人的に本殿よりもその脇にいる社務所のような建物に興味がありました。昭和38年竣工の建物で設計者は菊竹清訓。私が学生時代にえらく興味を抱いた作品です。稲掛けからヒントを得たというその外観は、地元の風土を丹念に調べ上げた結果だと思います。個人的にその土地の文化に敬意を払わない建物は好きになれません。デザインはあらゆる事象の結晶だと思います。土地に根ざす建築の宿命として、文化や風土の影響は必ず受けるはず。が、それを無視した建物の多いこと。
この建物で衝撃的なのは、コンクリート打放しの仕上に装飾が施されている事です。コンクリートの塊みたいになりかねない所が、この装飾のお陰で何だか軽快な印象すらします。今でこそあちこちでこういったディテールを見かけますが、当時は誰もやってないはず。他にも丁寧に考えられたディテールがあちこちに見られ、1965年には建築学会賞を受賞しています。出雲大社へ行かれた際には、是非とも足を運んでみて下さい。