アシモフ
DATE 2011.07.08
新書の紹介を殆どしてないブログですが、またまた古書の紹介です。アイザック・アシモフの本ですが、一方は福島正実訳、もう片方は星新一訳。どちらもSF翻訳のエキスパート2人の書籍で、「アシモフ」と「アジモフ」の表記の違いも楽しめちゃいます。ちなみにアジモフの方が発音的に近いとか何とか言われています。「アジモフ博士のQ&A」は、かなり忠実に翻訳されているのがようで、妙な着色は一切無し。「鋼鉄都市」なんかの翻訳も同じ福島正実訳となります。ちなみに福島正実の代表作はあの「マタンゴ」であります。もう一方の「アシモフの雑学コレクション」は、原作では3,000にものぼる雑学を抜粋した本で、星新一ならではの軽快な翻訳で楽しめます。一般的には星新一訳のこの書籍の方が親しみやすいと思います。雑学というカテゴリーがテレビなんかでももてはやされていますが、アシモフの雑学は極めて論理的。科学という視点で歴史や音楽、人の感情なんかを分析しています。この切り口が実に面白く、ついつい時が経つのを忘れてしまいます。最近はもっぱら古本主体。本としての密度が実に高く、ビジュアルに頼らない所がたまりません。ペラペラ見るだけでも伝わってくる作者の情熱。現代の見た目ばっかしの本には無い、ストイックな魅力に溢れています。たまには古書もいいもんですよ〜。