和泉石材店

BLOG 「一言石句」

継手仕口

DATE 2011.07.29

shigutchi.JPG継手と仕口、一体何が違うのかという疑問からこの本は始まります。継手とは長手方向に部材同士をつなげる事を指し、仕口はある角度をもって部材同士をつなげる事を指すとされています。本来構造的な意味合いの強い継手や仕口の形状が、時に意匠的にも大きな意味を持つ場合があります。構造と意匠、それぞれが高い次元でバランスすると、いわゆる日本の伝統的な木造建築物になります。日本の歴史的な木造建築には、至る所に継手や仕口が見る事が出来ます。それぞれの場所に最適な方法の継手や仕口が採用され、意匠的な魅力まで持っているのです。この本を見ていると、昔の人の知恵の素晴らしさに感激すると共に、プレカット技術に押される時代の流れも良く解ります。「ディテールに神が宿る」といった言葉の通り、モノとモノがぶつかる場所こそ丁寧に考えなくてはなりません。継手と仕口にはそんな神が沢山宿っています。寺社仏閣にあるもう一つの神を見てやって下さい。あちこちに当時の大工さんが考えた知恵が散らばっています。