和泉石材店

BLOG 「一言石句」

道具

DATE 2012.06.25

stahlwille.jpg物と物をくっつけるとき、最も多く使われていて信頼性の高い方法がネジやボルトでの固定です。このネジを使わない固定方法を考えたら今世紀最大の発明になるとか言われています。家も車も電車も、ネジ無しには出来上がりません。普段私達が使っているネジやボルトは、それぞれに正しい締め方や回し方があります。そもそも私がネジの知識を植え付けられたのはこの本の影響です。建築の職業についた時には、アルミの建具をステンレスのネジを使って鉄枠に固定する・・・なんて時には熱膨張の話や電池の話が脳裏をかすめたものです。知らなきゃ後々問題になるだけです。現在の石屋になってからというもの、殆どネジを使わないようになりました。ネジは必ず壊れるのでそれを無くしたのがコチラ。そして最後に残ったのがお墓の外柵などに使うアンカーボルト。建築でいう所の筋交いの金具みたいなものです。建築の時もそうだったのですが、ボルトには必ず指定の締め付けトルクがあります。それを守らない場合、緩むという最悪のシナリオが待っています。今まで職人の勘に頼っていたところに、トルクレンチを用いたトルク法で締め付けようというのが狙いです。そもそも締め付けにはトルク法と角度法があります。実際には角度法という締め付けが最も緩まない方法ですが、それに対応したネジや工具が必要になり、私達のような職種にはちょっと現実的ではありません。私達の身の回りですと、エンジンのシリンダーヘッドボルトなんかが塑性域角度法という締め付けがされています。最もバラツキの少ない締め付けになります。さすがにココまでの精度を私達の現場で行うのは不可能で、トルク法を用いた締め付けを行うわけです。トルク法の場合、このトルクレンチを用いる訳ですが、今回はドイツのスタビレーのプリセット型トルクレンチをチョイスしました。スタビレーは世界で最初にこのトルクレンチを開発した会社としても知られています。色々な石屋さんがボルトの固定であれこれアイデアを出していますが、私達は基本に忠実に、正しい締め付けと正しい固定を行うだけです。それが出来ていないから外れるだとか言い出す訳です。ネジを力任せに締め付けるとネジが塑性変形を起こし、逆に外れやすくなります。勘では難しい所は道具の力を借ります。今度端材を使って職人さんと実験でもしてみます。