和泉石材店

BLOG 「一言石句」

GROUNDSCAPE

DATE 2017.04.02

INAX1703.JPG先月の事なのですが、GSデザイン会議が制作した映像「GROUNDSCAPE」の上映がINAXライブミュージアムで行われました。GSデザイン会議は、篠原修さんと内藤廣さんが代表をつとめるNPO法人で、デザインにに関する職業を生業とする人達が中心となり、トータルデザインの実践を目指しています。「GROUNDSCAPE」は東日本大震災のその後を追いかけたドキュメンタリー映像で、今現在東北のあちこちで進んでいる復興事業の実態をレポートしています。巨額のお金を投じて建設中の巨大防波堤や、原発の後処理となる除染作業。建築の知識のある人ならまずもって理解しがたい、壮大なスケールでの自然との戦い。何となくですが、徐々に自然との付き合い方が変わってきているのではないでしょうか。タイムリーな事に先日稲垣栄洋さんの書籍を紹介した時に、自然(しぜん)という言葉はnature:ネイチャーに対して出来た言葉で、元々は仏教用語の自然(じねん)から来ているとありました。あるがままというのが本来の自然(じねん)の意味だとすると、それは相当な覚悟を秘めた言葉と言えます。それに対し昨今の自然(しぜん)という言葉の中には、自然に身を任せるというよりは、自然をコントロールしたいという人間の放漫さが見え隠れします。私は普段標高の低い海辺の危険?な場所に住んでいます。津波が来たらなすすべ無く流されるでしょう。でも私は海辺で住む人に警鐘を鳴らすなんて事はしません。何ならそれこそが自然(じねん)な感覚だと思うのです。