和泉石材店

BLOG 「一言石句」

大府市の霊苑

DATE 2009.04.08

haisui.jpg現在大府市のある霊苑の設計をしています。著名なランドスケープデザイナーのキーナストなんかも霊苑の設計をしていますが、その国の宗教観の違いもあり、参考にはなるのですがどこかピンと来ない所があります。私も旅行をする度に色々なランドスケープを見て回るのですが、霊苑の参考となるとこれがナカナカ難しい訳です。悲しい事に、霊苑のデザインはかなり野放しになっています。優れたランドスケープ、例えば美術館等とは全く次元の違う所に取り残されているといっても良い状況です。その多くはランドスケープなどという概念も無く、ただただ墓が並ぶための場所を確保した程度のものです。仕上などは、インターロッキングで舗装がしてあればまだ良い方。ひどい場合は砂利をまいただけの所もあります。

michi.jpg霊苑は100年後も存続し続ける可能性が極めて高い施設で、公園等と同じ位のスパンで考えないと非常に問題があります。100年後に単なる古びた霊苑となるか、風合いのある良い霊苑となり得るかはランドスケープとして優れた霊苑に出来るかどうかにかかってきます。現在設計している霊苑は、他の霊苑をあまり参考にしていません。むしろ美術館や公園等を手本にした相当ゆとりのある霊苑を計画しています。

kaidan.jpg写真を見せた3つの事例は1・2枚目は豊田市美術館、3枚目はクレマチスの丘です。どれも設計者の意図が明確で、なおかつ見た目の印象として控え目な所があります。控え目というのが大切で、霊苑という目的からするとここが最も重要なポイントだと思います。いかにもデザインしましたという押しつけは厳禁、後からじわじわその良さが出てくる。そんな霊苑を来年の早い段階でオープンできるように努力しています。オープンのスケジュールや経過は当社のWEBにて公開予定ですのでご期待下さい!