電卓
DATE 2009.04.13
電卓はほぼ毎日使う大切な道具です。20年近く色々と良い電卓を求めて放浪している次第です。写真のモデルはブラウン社の電卓です。使い勝手も良い上にデザインが大変良い製品で、目覚まし時計等の他製品も同じ哲学で作り続けられています。ドイツの工業製品を代表するデザインと言ってもよいと思います。会社ではもっぱら私以外のスタッフが使います。
こちらはHP35Sというモデルで、1972年にポケットに入る初の関数電卓として発表されたHP35のアニバーサリーモデルです。独特のキータッチも良く再現できており、昔の雰囲気も残しつつ進化しています。しかし、後述するHPに慣れすぎた私にはちょっと物足りなかった模様・・・。
約20年前に買ったHPの関数電卓です。個人的には最強の電卓と思い込んでいます。HPの電卓は逆ポーランド記法と言われるちょっと変わった入力方法をします。例えば1+2は、(1,2,+)という入力順序になります。これは「1と2を足す」というように、実は日本語の文法とも似ている入力方法です。これで具体的に何が便利かといいますと、5つの数値を順に足す時などは、その5つの数値を一度全て入力し、それぞれ間違いが無いか確認した上で最後に全て順に足すことが出来ます。他にも色々と便利な機能があるのですが、ちょっとした問題もあります。それは他の電卓が触れなくなる事です。私の場合約20年間この電卓と生活を共にしてきたので、普通の電卓が使えません。普通の電卓をちょっと人から借りて作業をすると大変なストレスです。
私にとって道具選びは大変重要な作業です。筆記具や、撮影用のカメラ、鞄や防寒着なども悩み抜いて買います。一度買って気に入ると同じモノを何度も買うタイプです。気がつくと身の回りにはデザインの良き教材が溢れてくることになります。HPの電卓も使う度にボタンのデザインやキータッチに設計者の良心を感じます。今は石のデザインをする仕事ですので、一度作ると100年単位で使われる性格のモノです。相当考え抜いてデザインしないとすぐにデザインが風化してしまいます。表面上の格好良さだけで無く、しっかりした考え方をもってデザインする。考え方や理念はそうそう風化するものでは無いですから。