和泉石材店

BLOG 「一言石句」

紙面で講評されました

DATE 2022.01.17

ark221.jpg我が家がJIA(日本建築家協会)東海支部の季刊誌で講評されています。
読みたい方はダウンロード出来ますのでそちらでどうぞ。
http://www.jia-tokai.org/architect/2022年1月
世の中の動きとして、家はUa値(外皮平均熱貫流率)と坪単価で買うという流れがすっかり定着しています。モノを売るには数値で売るのが一番てっとり早い。数値化されていないものほど売りにくいものはありません。人それぞれ異なる温度感や季節感を持ち、違う感性を持っているにも関わらず一定の性能の家に押し込まれる。Ua値を上げるとどうなるかというと、サッシや断熱材に予算を割かないといけません。そうなると使う材木の品質を落として予算のバランスをとる必要が出てきます。更に建具を小さくして性能を上げてコストを下げるのです。

ark222.jpg我が家は木製建具にシングルガラスです。寒いと結露し、いわゆる冬らしい景色になります。部屋はちょっと寒いかな程度。要するに外気の影響を程よく受けるという事。これがUa値が低い家だと年中短パンTシャツで過ごせるとか言い出す訳です。季節感も何も無い暮らしに魅力を感じなかった我が家は、程よく寒く、程よく暑くなる程度の環境性能に留めました。もちろんヒートショックなどを引き起こさない程度のものです。更に、建物の場所によって温度もバラツキが出るようにしてあります。子供部屋はちょっと寒く、リビングダイニングは暖かく。そういう斑(むら)が変化に富んだ豊かな空間を生むと考えたのです。万人にお勧めはしませんが、そういう程々の環境性能の家でも全く問題無い人もいると思います。そんな考え方で設計された家は、建築家の目にどう見えたのでしょうか。