常滑市にあるINAXライブミュージアムには、世界中のトイレとタイルを集めた博物館があります。ナカナカ見応えのある施設で個人的に何度も足を運んでいます。特にトイレの方は必見。そもそもトイレというのは、単位空間として設計者の技量が問われる大切な空間。パリのポンピドゥー・センターのトイレも行ったし、中国の石切場のトイレも行きました。その国の文化や考え方を体で理解出来る空間がトイレなんです。ちなみにポンピドゥー・センターの小便器は平均的身長の日本人では使えません。とんでもない位置に便器が設けられているんです！今住んでいる大野町の古民家では、トイレは不浄な場所として考えられ、母屋とは離れた場所に設けられています。単位空間としてこれほど面白い場所って他に無いんですよ。

写真は畳敷の殿様トイレ。今考えるとギャグ以外の何者でも無い代物。ちなみに持ち手のような所が後ろ側で、着物をまくりあげる為のものでしょう。これ意外にも色々なトイレが目白押し。地元にこんな楽しい博物館があるなんて。トイレマニアの妹尾河童さんなんか楽しくてしょうがないでしょうね。トイレで好きなのは豊田市美術館。トイレまで丁寧に設計されています。パネルやブースの割り付けといい照明の収まりといい本当に素晴らしい。建築設計の仕事をしている時も、トイレが一番気合いが入ったりします。空間としての密度が一番濃いのではないでしょうか。皆さんもお気に入りの建物へ入ったら真っ先にトイレに行きましょう。設計者のスピリッツが垣間見えるはずですよ。