蕎麦
DATE 2010.11.04
私は蕎麦が好きです。蕎麦を食べる事を目的に旅しちゃう類の人間です。ただ、名古屋の蕎麦事情にはあまり詳しくありません。名古屋に来たら急に蕎麦行かなくなったのです。そもそもきしめん文化の名古屋生まれの私、何故蕎麦好きになったかと言うと、かれこれ15年位前に出会った、大阪の天神橋にある小さな蕎麦店に行った事に始まります。当時このお店も未だ出来て間もない状態で、うどん文化の大阪で孤軍奮闘していたのでした。そんな事とも知らず、興味本位で蕎麦を食に入ったのですが、定食屋の蕎麦とは全く異なる、緊張感に満ちたその蕎麦にすっかり魅了された私、結局近くに住んでいた事もあって通うことになります。会社帰りに1枚蕎麦食べてそば湯を飲んで帰る。休みの日もフラフラとやってきました。薄給の私にとって蕎麦1枚800円(多分)は割と痛かったのですが、とにかくその蕎麦を食べてる時間が楽しかったのです。
あるとき、蕎麦の盛られている器が気になりだした。お店の方に訪ねると曾根崎のようびさんのものだと仰る。そば湯の入ってる器なんかもの凄いオーラが出てるし・・。こりゃ行かない手はない。そしてそのようびさんにも足を運ぶことになった。結果的に会社帰りに立ち寄った1件の蕎麦屋さんが自分の人生をもの凄く豊かにしてくれた。本当に感謝しています。後にプロダクトの仕事をする際にこの時の知識が役に立った。自分じゃ買えないような高価な器をその蕎麦屋さんはお客さんに出してた。実際にそういう器で食事が体験できる事が有り難かった。その蕎麦屋さんの器は使いやすい上に美しかったのです。毎日使う道具が美しいと生活が豊かになる。そういう体験を蕎麦1枚でさせてくれたのです。大阪の旨いモノの出会いはこのお店と近所のうまいやが私の基本にあります。