和泉石材店

BLOG 「一言石句」

第二の故郷へ(その4)

DATE 2022.08.19

fusyu2022.jpg志摩地域は昔は陸の孤島なんて言われていまして、それこそインフラ整備が遅れに遅れた船頼りの土地でした。ところが今や道路が整備され、車で気軽に移動出来るようになりました。結局人の移動が出てくると、情報が行き交い、良い悪いは別として土着の文化や風習が薄れます。私が子供のころに行われた曾祖母の葬儀は土葬でして、大八車に載せた棺桶を墓地まで運んだり、六文銭をばら撒いたりした記憶が残っています。
そんな少年の目に焼き付いた記憶を呼び起こしたのは写真の盆飾り。未だに残っているのですよこれが。何で調味料なのかは不明ですが、あの世でも苦労しないようにという願いなんでしょうか。

tekone2022.jpg手こね寿司ももれなく食べてきました。祖母の作る手こね寿司が一番美味しかったというのは親族の共通した意見。同じ材料で同じレシピで作っても味が違う。何でなのか。祖母は何も考えずに作っていたのか、実は重要な一手間を知っていたのかどうなのか。もはや真相は誰にも分かりません。超えられることの無い永遠の味。それが祖母の手こね寿司です。
人と味と景色。郷土の魅力は複雑で代わりの無い唯一の個性にあります。だからこそ大切に思うのです。