和泉石材店

BLOG 「一言石句」

第二の故郷へ(その5)

DATE 2022.08.20

umihaku20221.jpg和具から鳥羽までは車で約1時間。せっかくなので海の博物館へ足を運びました。豊田市博物館と共にこのブログに度々登場していますが、何度見ても良い建物です。この写真は収蔵庫となっている建物なんですが、世界中の船が大量にストックされています。柱のない大空間を実現するためにプレキャストコンクリートを使って現場で組み立てています。海の博物館は本当に陰影が美しい建物です。照明計画も全てそこを意識させるように出来ていまして、寺社仏閣に匹敵する陰影マッチぶり。

umihaku20222.jpg昨今話題になる建築は軽くて複雑で透明なものが多い気がします。海の博物館がそういった建物とは全く異なり、その地の気候風土を全面的に反映した根のある建築で、柔らかくて軽快な建物では受け止められなかったと思います。建物が出来て30年が経過していますので、人で言うところの一世代が経った訳です。その間、海の博物館を取り巻く環境も変わり、この建物の受け取り方にも変化があると思います。経年に対する建物の変化は今後建築家が最も注意を払うべき課題ではないでしょうか。