和泉石材店

BLOG 「一言石句」

「ロウソクの科学」

DATE 2012.06.06

Faraday1.jpg今回ご紹介する書籍は、マイケル・ファラデーの「ロウソクの科学」です。ファラデーは皆さんご存じのベンゼンを発見したりしたイギリスの科学者ですが、高等教育は受けていません。この書籍は、1861年のクリスマス休暇にロンドンの王立研究所で開かれた、連続6回に渡る講演の記録です。この講演には、王侯貴族から一般市民の子弟まで、幅広い聴衆がいたそうです。ファラデーはそんな聴衆に、「私自身も一人の青年になる事の特権を要求させていただきます」と話しかけるのです。貧しい鍛冶屋に生まれたファラデーは、自然との対話を最も大切にしていました。一人の青年となって語りかける事によって、聴衆との壁を取り払い、自然の声に耳を傾けるという思いを伝えたのだと思います。実際ファラデーはナイトの称号を断ったり、社会的な地位や名誉には興味が無かったとされます。肝心の講演の内容は・・・実際に読んでみて下さい。これを単なる科学の本として読むのも結構ですが、最高のプレゼンテーションとして読むのも良いと思います。スティーブ・ジョブズも有名ですが、150年以上前に、これだけの聴衆を魅了できる人物がいたとは。それも話題はロウソクです。日常にありふれたロウソクという何でもないものを、科学という切り口で解説するだけの事です。ところがどっこい、どんどん話に引き込まれちゃうのです。是非ともご一読を。