和泉石材店

BLOG 「一言石句」

広島の旅その3

DATE 2014.05.04

heiwa1.JPG広島と言えば広島平和記念公園。この地に込められた意味は特別なものがあります。丹下健三が設計した傑作としてあまりにも有名なこの公園ですが、個人的にイサム・ノグチの活躍も忘れてはならないと思っています。多くの人が写真を沢山撮影しているアーチ型の「慰霊碑」ですが、元となるデザインはイサム・ノグチが考案したものです。しかし、日系アメリカ人である事を理由に選考から外され、丹下健三がイサム・ノグチのデザインをベースに、再度デザインを行ったようです。写真は平和記念資料館から慰霊碑に向かって撮影したものですが、ここから慰霊碑をよ〜く見ながら歩く事が肝心です。

heiwa2.JPG慰霊碑の前の階段まで、緩やかな勾配がついているため、視点が常に下がっていく事になります。するとどうでしょうか、慰霊碑のアーチの中に原爆ドームがすっぽりと入ってしまうのです!!! ちなみに前述したイサム・ノグチの慰霊碑の場合、こういう事にはならなかったでしょう。私は丹下健三がデザインし直して良かったと思っています。そして何より、元になったイサム・ノグチに感謝しなくてはなりません。偉大な彫刻家と建築家の奇跡的な合作とでも言いましょうか、本当に素晴らしい結果になりました。ちなみにイサム・ノグチの足跡は、平和大橋と西平和大橋の欄干にあります。

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コルビュジェの影響を色濃く反映した平和資料館の柱部分。ユニテ・ダビタシオン等を連想する力強い列柱は、一直線に配置されず、緩やかに弧を描いています。つづみ形と呼ばれる独特の曲線は、日本的な美しさを建物に吹き込んでくれています。それしても戦後に丹下健三という建築家がいた事は本当に良かったと思います。代々木の体育館をはじめ、要所要所でとてつもない偉業を成し遂げています。ありがとう丹下さん・・。そんな事を考えながら、次の目的地へ向かうのであります。