和泉石材店

BLOG 「一言石句」

広島の旅その4

DATE 2014.05.05

heiwa141.JPG広島の建物でもう一つ見ておかないといけないものがあります。村野藤吾設計の、世界平和記念聖堂です。聖堂はバシリカ式となっていて、荘厳な雰囲気になっています。1954年竣工ですからちょうど60年の歳月が流れた事になります。そもそもこの建物、当時コンペで設計者を決めていたのですが、村野藤吾は審査員側の人間でした。当選案が無いままコンペは終了。紆余曲折あって設計者は村野藤吾に。ただ事では無さそうなこの流れ。しかし出来上がった建物を見れば、これを設計出来たのは村野藤吾ただ一人と思わせるものです。構造設計は内藤多仲。広島市はいわゆるデルタ地帯と呼ばれ、軟弱な地盤の多い地域になります。その為、構造設計の重要性は特に高かったと思われます。見た目は明らかなラーメン構造ですが、どうもその中にあるブロックも構造体として機能しているようで、単純なラーメン構造では無いようです。

heiwa142.JPG内部はこんな感じです。バシリカ式ですので両袖に側廊があって、中央を柱で取り囲まれています。側廊の列柱は外部にフライング・バットレスがついています。見た目ロマネスクで構造はゴシックの様な聖堂。イースターの翌日の誰もいない聖堂でしたので実に静寂。足音だけが響き渡る静かな聖堂で、以前に旅したフランスのノートルダム大聖堂を思い出しました。丹下健三とあえて比べれば、水と油みたいな関係。良いとか悪いとかいうものではなく、全く異質のもので、重なる部分がほぼ無い。コルビュジェの流れをくむ丹下さんとは、発想の根本があまりに違いすぎます。東京カテドラル聖マリア大聖堂と比較したいので、次回江戸へ行った時は足を運びたいと思いました。

heiwa143.JPG広島感満点。洒落が効いていて素晴らしい!!!!