「草庭」「中川木工芸比良工房」を訪れました
DATE 2010.01.13
年の瀬に寄った琵琶湖ホテルでの翌朝、せっかくの大津だしどこか良いところは〜とガイド本を見てると、「片流れ」で「杉の外壁」のなんだか親しみを覚える建物の写真を発見。「草庭」というギャラリーです。29日だということでダメ元で電話をすると「気をつけてお越し下さい」と快いお返事を頂いたので、早速お邪魔することに。同じ大津市内なのですぐ着くのかと思いきや、市町村合併で、いつの間にか大きな市になっていた大津市。ホテルから琵琶湖を挟んで反対側の旧志賀町まで、琵琶湖沿いに湖西道路を走らせて、ちょっとしたドライブができました。到着した「草庭」さんは陶磁器や木工品、ガラスなどを扱っているちいさなギャラリーで、ギャラリーを運営される中川千草さんとお話しながら、ひときわ美しいおひつや木工品に見入っていると、なんでも隣に中川木工芸比良工房というご主人の桶工房が併設されているのだそう。工房を見せて下さるとおっしゃったので、それはそれは大喜びで見学させて貰いました。木工職人の中川周士さんが丁寧に桶が出来るまでをご説明くださいました。私(嫁)の胸は終始高鳴ります。磨き上げられた伝統技術で、もの凄い数の行程を踏んで出来上がっていく桶は、昔ながらの職人技の集大成でした。その技ひとつひとつがほんとうに貴重!今や珍しい存在の桶屋さん。そうそう見られるモノではありません。昔は生活のあらゆる場面に登場した桶。壊れても直せる仕組みは、まさに本物のエコ!考え方が素晴らしいです。昔の町には必ずといって良いほど桶屋さんがあったのだそうです。かくいう私も使っている風呂桶は、こんなに美しいものではないですが木のモノでとこだわっています。風呂場でのカポーンと響く音が好きで、プラスチックに比べ少々重かろうが使い続けています。周士さんのおじいさまが京都で工房を構え、現在はお父さまの清司氏(重要無形文化財保持者=人間国宝!!)が受け継いでおられるそうです。木工職人の周士さんの手掛ける作品はまことに芸術的で、職人として、作家としてのバランスがうまくバランスされたお方だなあと感じました。
こんな機会に手に入れないでいつやるの!ということもあり、最初から気になっていたおひつを購入しました。見てるだけでうっとりするようなおひつ。大切に大切にいたします。中川ご夫妻、あたたかで素晴らしい時間をありがとうございました。また必ずお邪魔いたします。おひつと一緒に写っている雑誌の中川さんのおひつが表紙を飾った今回のnid。今回は永く使える道具特集で、たいへん充実した内容です。どうやらこの雑誌からも中川さんのおひつが購入できるみたいです。