大府市内で長らく工事をしていました牛岩石小叩き仕上げのお墓が完成しました。春頃から加工がスタートして完成まで4ヶ月近く要しました。石の加工は工程に合わせ、それを得意とする職人さんに依頼する事が大切です。今回も水磨きの職人さんと小叩きは別の方が担当しています。字彫り作業は安城の字彫り屋さんへ出しています。当然完成度は極めて高く、皆自分の担当箇所に全力投球するのです。

叩き目は曇りの日に行くとよく見えます。晴れていると真っ白になって石目が飛んでしまいます。という訳で竣工写真はいつか再撮影しなくてはいけません。もっと荒く彫れば晴れた日でもいかにも小叩き仕上げな風情は出るでしょうが、「粋」ではありません。よく見ると小叩き仕上げだという辺りの控えめさが究極だと思うのです。その場合、猛烈に繊細な叩き目である事が大切。御住職直筆の書の陰影を上手く引き出すのは安城の字彫り屋さん。和泉石材店の小叩き仕上げは全てその職人さんが手がけています。

スッキリしたお墓は難易度が高いのです。墓誌や塔婆立の高さが揃っていないとこういう印象にはなりませんし、小叩き仕上げの石目に合うよう水磨きは艶の出ない仕上がりになっています。何よりも全体の調和が大切で、ゴテゴテしたディテールは全てを台無しにします。何もしなくても手仕事の美しさは伝わるのです。日本の職人が手がけた美しいお墓になったと思います。これからの経年変化が楽しみでしかたありません。

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