先日発売になったフィアット500ツインエア。以前よりこのエンジンを個人的に特大推薦していましたが、この度試乗した結果、想像を遙かに超える素晴らしい車でした。ハイブリッドや電気自動車など、環境問題に対するメーカーの考え方が色々と出ていますが、フィアットの答えがまさにコレ。たった875ccのエンジンながら、ターボで加給する事で85PSとなっています。何よりも驚きなのが2気筒という事。今時ここまで割り切ったエンジンがあるのだろうか。マルチエアという最新の吸排気技術を軸に構成されたエンジンですが、その音色はあの空冷2気筒エンジンにそっくり。最新技術をまとったクラシックとでもいいましょうか、情緒溢れるエンジン音を奏でてくれるのです。アイドリング時はパタパタ、加速時にはビ〜ンという古典的な音。クラシックカーに乗ってる人なら心当たりがあるはずです。

過去数年間を遡ってもこれ程驚いた試乗は初めてです。ポルシェやフェラーリといったスポーツカーとも違う、独自のベクトルを持った楽しさで、個人的にかなり強烈な印象を持ちました。以前にルーテシア・ルノースポールなんかも乗りましたが、車としてのシンプルな楽しさではツインエアエンジンをもった500に軍配を挙げます。もはや価格や排気量のヒエラルキーを完全に超越した存在です。もっとも、足回りも含めた車全体としてのバランスでは、この車を超えている車は沢山います。それでもあのエンジンの魅了にノックアウトされてしまいます。このブログ始まって以来の大絶賛であります。ただ、理想はこのエンジンをパンダに載せて欲しかった。プレーンな外観にこのエンジン。たまらなく魅力的な1台になったハズです。皆さん是非とも試乗に行ってみて下さい。特に旧車乗りの方々、驚くと思いますよ。