金沢にあるフェルメールというアンティークショップへ立ち寄りました。アンティークの中でも道具に関してここまで揃っているお店は少ないと思います。アンティークの道具はその使い道がミステリアスな所が面白い。当時の時代背景を考えたり、生活様式を考えたり、色々と想像をかきたてます。今回買った道具は2つ。どちらもややデコラティブな印象があります。実はそこが大切な所で、機能的に必要でない余分な装飾などがあった場合、それは人に見られたりする可能性が高い証拠です。つまり人前で使う道具な訳で、当時の生活をうかがい知れる貴重な存在でもあります。私は写真の2つの道具を買いましたが、どちらも非常に美しい道具です。写真上の道具は、紐を締める為のツールと想像出来ます。特にコルセットを使った女性は動きにくいので、これで紐を結んだのではないかと。本体の真ん中辺りにちょっとした装飾がされていますので、コレがある事で実に柔らかい印象になります。全体に繊細な印象があるのもこの道具の特徴で、イギリスの道具は特にその傾向が強く、遊び心に溢れています。

写真下のはUFOキャッチャーもビックリな仕掛けで動きます。想像ではオリーブなんかをつまむ為の道具ではないでしょうか。つまり食卓の上に置かれる道具で、それなりのカトラリーと一緒に並んでいたと思われます。ですのでこんな動きをするのです。各パーツのディテールが驚くほど丁寧に仕上げられています。人目に触れない道具であればここまで仕上げる必要は無いでしょう。動きももの凄くスムーズ！

本体の一部にこんな刻印が。誇らしげにパテントナンバーを記載。色々なアイデアが詰め込まれていそう。何よりもタッチが素晴らしい。この辺りは実用性や機能性といった部分ではない、作り手のこだわりが感じられます。現代の道具には無い様々な魅力が詰め込まれている「古道具」。古道具を見つけたら試しに買うと面白いですよ。よく解らない道具の方が面白いと思います。