自宅で音楽の試聴で使っているのは、イギリスBowers & Wilkins社のスピーカーです。約10年程前に購入したのですが、当時はこのスピーカーのように、原音再生に重きを置いたスピーカーが少なく、かなり衝撃を受けたものです。同じ音楽でも、スピーカーによって微妙に聞こえ方が変わる。それがオーディオの魅力なんですが、原音は1つのはずですから、そこに違和感を抱いてしまいます。音楽の奏でる音や、そのアンビエンスといいますか、音以外の雰囲気も再現出来るスピーカーを目指したのがB&Wのスピーカーです。設計開発から製造まで、自社で行っていて、イギリスとデンマークにファクトリーがあるようです。チェリー材の仕上は美しく、スピーカーという機械に暖かみを感じさせます。イギリスのプロダクトですが、デザインはどことなくスカンジナビアンテイスト。デンマークの香るイギリスのスピーカー。何かレンジローバーあたりのインテリアにも共通するデザインです。建築空間とのマッチングも加味した控えめな外観には好感を持てます。音を鳴らす事しか考えていない、周囲とのバランスを無視したスピーカーは沢山ありますが、そういうスピーカーは個人的に好きになれません。大切なのは空間を含めた全ての調和です。