和泉石材店

BLOG 「一言石句」

海の博物館

DATE 2009.05.07

umihaku1.JPGGW最終日に祖父の米寿祝いをしに一路伊勢志摩へ!ついでに勉強がてら鳥羽の「海の博物館」へ。内藤廣さん設計の建物で、1992年竣工に竣工しています。ちなみに安曇野の「ちひろ美術館」も氏の設計による作品です。学生時代に初めて訪れた際は未だ新しい印象がありましたが、今や程よく使い込まれ、周囲の自然により溶け込んでいました。元々この地には芸術村構想があり、最終的な着地点がこの「海の博物館」だった訳です。そのため、鉄扉は画家の松田研一さん、池のモニュメントは小清水漸さんが手がける等、芸術としての建築の役割も十分に果たしています。

umihaku2.JPGこの建物は竣工まで7年の歳月を費やしています。それだけに相当緻密な設計がされています。地元の気候風土の調査はもちろん、土着の文化の調査を徹底したであろう影響が建物の至る所に見られます。瓦の先に見られる模様は海女の生活を表すアイコンとして大変重要な意味があります。個人的には写真にある船を納めた収蔵庫が最も好きな場所ですね。

umihaku3.JPG鳥羽〜志摩にかけては入り組んだリアス式海岸が広がります。そこでは真珠養殖等が行われ、海上にはイカダが点々と浮かび、独特の景色を生み出してます。海の博物館のハイライトはその景色との調和にあると思います。博物館の上から眺めると、海に浮かぶイカダのように建物が敷地に点在します。この写真にある水面のモニュメントも、どこかこの地域の景色を彷彿とさせます。更に内部の構造は魚の骨のようでもあり、どこか有機的な印象もあります。私には志摩地方での幼少期の思い出が沢山あるので、ノスタルジックな印象が強いのですが、初めて訪れた人はどんな印象を持つんでしょうか。