バックミンスター・フラー
DATE 2009.05.26
最近若い人が車に興味が無いようです。若者の車離れとか言ってますが、車のデザインやコンセプトに魅力が無いのは確かです。楽しさよりも環境技術をが主体のご時世ですので余計に若者は興味を無くすのでしょう。似たり寄ったりの車ばかりですが、かつてこんな激しい発明をしていた偉人がいます。バックミンスター・フラーです。彼の発明は特にオリジナリティに富んでいて、今でも決して色あせていません。
フラーの考えた「ダイマクション・カー」は、前が2輪で後ろが1輪です。それでもって後輪が舵取りします。これ、船です。造船技術を採り入れたようですが、その機械的な構成も船的な感じがします。1933年に発表されたこの作品は当時としては画期的な流線型をしています。他の星の乗り物といった感じです。しかししかし、自動車として大きな問題を持ってまして、後ろにモーターを置き、固定軸の前輪を動かすため、重量配分に難があります。でも乗ってみたいですね。想像ですが、現代の道路事情では間違いなく事故すると思います。しかし、このダイナミックな発想は意味のあるものだと思います。
フラーと言えば何と言ってもこの「テンセグリティ」でしょう。張力(テンション)、統合(インテグリティ)を意味するテンセグリティは、1967年のモントリオール・エキスポで一躍有名になりました。いかにも数式的なデザインも、実は自然界に既に存在していたりします。ハエの眼球はまさにフラーの世界そのものですし、タンパク質のシェル構造なんかもそうです。デザインの手本はいつも自然界に存在するという事でしょうか。
- CAT:デザイン