ヤコブセンのスワンチェアです。大阪の設計事務所時代からのお付き合いをしている家具屋さんから購入。コペンハーゲンのSASホテルのためにデザインされた椅子です。白鳥のようなシルエットからスワンと名付けられた椅子で、ヤコブセン特有の繊細でシンプルなデザインが特徴です。アルミのベースと発泡ウレタンの座面ですので予想外に軽い掛け心地です。

Fritz Hansen社が現在生産しているSWANは、オリジナルとは脚部の構成が若干異なります。オリジナルは脚柱まですべてダイキャストの一体成形。現在のはベースに脚柱を差し込んだ形状。床に伸びた脚が平べったいんです。オリジナルはとにかく細くて繊細。こういったディテールの違いが与える印象は大きいです。神はディテールに宿る・・ミース・ファン・デル・ローエの言葉を思い出します。現在の石碑のデザインは1モデル1年以上のデザイン時間を注ぎ込んでいます。ディテールも相当練られています。果たして「神」は宿ったのでしょうか。