ある日、TVに古巣設計事務所が手がけた作品が出ていました。京都の北白川にある駒井邸です。ヴォーリズの住宅作品の中でも格別な存在で、ヴォーリズの魅力にあふれた住宅でした。私の家はヴォーリズのような住宅を連想させたりは全くしません。むしろ海辺の漁村にあったであろう民家を再構築したような感じです。ですが、細かな部分にヴォーリズのエッセンスを残してあります。

ヴォーリズは駒井邸のドアノブにある仕掛けをしました。それは客人が触れるドアノブを他と異なるものにしていたのです。何とも粋な計らい。そんな事で我が家はスイッチプレートがドアノブ代わり。客人が触れる可能性があるスイッチは真鍮製になっています。

客人が触れないスイッチは普通のスイッチプレート。本当に普通のスイッチプレート。これでいいんです。と言うかこれでないとダメなんです。ささやかなヴォーリズエッセンス。誰も気がつきませんが・・・。