建築の世界を離れてかれこれ5年になろうとしてます。しかししかし、住まいに対する考察はそれとは無関係に続いていたのでした。とうとう3月よりある所で実験的生活が始まります。「陰翳礼讃」「茶の本」「方丈記」などなど、日本文化に関する名著を読めば読むほど、日本的な生活の実地体験をしたくなります。特に感銘を受けたのが鴨長明の随筆「方丈記」です。大学時代に恩師からのすすめで読んだのですが、古典の授業では教わらなかった鴨長明の「切り口」が非常に新鮮に感じたのです。随筆ですから、今風に言えば「エッセイ」などと呼ばれる、実に軽快な読み物なんです。日々起こる出来事を自分の切り口でもって書き記すのですが、時は平安末期、とんでもなく世の中が不安定だった時代に世の無常を綴るのです。結局最後は無情な結末になるのですが、このシュールな結末がこの随筆の魅力です。私も陰翳のある生活を中心に据えて、新しい切り口でもって色々な取り組みをしようと企てています。今までとは違う、楽しくもちょっと厳しい生活が始まります。ワクワク・・・・・。