冬の北陸紀行3
DATE 2014.02.20
富山を後にした私たちが向かったのは金沢。2011年に一度訪れていますので、3年ぶりの訪問。先ずは21世紀美術館へ行きました。が、今回は駐車場の利用だけ。ですので建物を撮影した写真は何とこれだけ。本当の目的地はここから徒歩数分の所にある鈴木大拙館。鈴木大拙に関しては何時かこのブログで取り上げるとして、今回は建物を中心に。
こちらが鈴木大拙館のエントランス部分。金沢出身の仏教学者鈴木大拙の足跡を展示した建物で、設計者は谷口吉生さん。この建物の設計者として、谷口さん以上の人はいないのではないかと思います。この緊張感のある佇まいは、禅を世界に発信した鈴木大拙の生き方を連想させます。建物の床面積自体はそんなに大きくありませんが、巧みな設計により何とも豊かな空間構成になっています。
こちらが瞑想空間と呼ばれる場所。水鏡を利用した構成は、谷口さんの一連の作品に通じる手法。そして水鏡に写る建物のシンプルさときたらありません。空と建物を屋根が一直線に切り取っているのが大変印象的。声高に建物の個性を叫んでくるようなものではありませんし、何ならかなり禁欲的なデザイン。それこそ禅の思想をカタチで表現しているのではないでしょうか。
谷口さんの建物の凄いのは、どんなに大きなスケールの建物でもディテールがしっかりしている所です。手を抜かないというのか、本当に1本の余分な線も消し去ろうという執念が見て取れます。もちろん見た目は至って普通。素人が見たら何て事の無いものです。写真にある部分なんて、石の板材に扉のレール加工がされています。ズレたら最後、扉が外れる納まり。それがピシャッと収まってます。もちろん目地幅は最小限で。かなり難易度は高いです。建具も床材も全てがピシッと納まる事で、大きな建物でも緊張感を持ったものに出来るのです。ディテールあってこその全体の美しさ。良い建物を拝見出来て良かったです。是非皆さんも金沢へ行かれた際は、鈴木大拙記念館へ。
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