冬の北陸紀行2
DATE 2014.02.19
富山県といえば氷見あたりに行くのが良さそうでしたが、ちょっと行ってみたい宿がありまして、神通川をちょっと南下します。富山市街からもそう遠くない川辺にリバーリトリート雅楽はあります。新館と旧館がありまして、新館の設計者は海の博物館なども手がけた内藤廣さん。要するにそれが見たかった訳です。リバーリトリート雅楽は建物の構造を前面に押し出す内藤さんらしい作品。そして目の前に広がる神通川の景色。比較的タイトなホテル入り口を抜けると、そんな景色が目の前に出てくる仕掛け。なかなかドラマティックです。
私たちが訪れた時はちょっとした雪景色。実は今年北陸地方は例年に比べ雪が少ないらしく、想像していたような雪深い景色ではありませんでした。それに比べ太平洋側の雪はどうなってるのでしょうか・・。そもそも私たちは2月12日前後で旅を予定していまして、その旅先として草津温泉や日光東照宮なんかも候補になっていました。もしそちら方面へ旅に行っていたら、今頃あの雪の中だったかも知れません。
館内にはライブラリーがありまして、ジャン・プルーヴェの椅子が置かれています。これ以外にも色々と著名な作家によるアートがあります。それを見ているだけでもかなり時間を要する感じ。建物全体を通して惜しいと思うのは、新館と旧館のデザインの差があり過ぎる事。違いすぎる事で内藤さんの建物の個性が際立ってるのも確かなんですが、違い=違和感とも思えてしまいます。それ位内藤さんの新館のインパクトがあるという事。こういう建物で最も感心したのは野尻湖にあるエルボスコ。建物が良いというより設計者の清家清さんの力量なんでしょう。そこにいると清家さんの良心を感じるのです。見た目の格好ばっかり追い求めてるいわゆるデザイナーとは次元の違う仕事ぶり。築後30年経っても清家さんの作品は光り輝いていました。設計料無料なんて見出しが躍るハウスメーカーの家。設計料無料なりの価値しかない家をそれなりの価格で売ってるだけです。価格のことばっかり言ってるのでは無く、価値の分かる人間にならないといけません。
リバーリトリート雅楽の夕食は和食と洋食があります。聞けばどちらも子供の対応がしていただけるとの事。そうなると和食の方が子供にとって良さそうな気がしたので和食をチョイス。楽味という和食どころがあるのですが、「祇園さヽ木」がここを手がけています。ですので平日なのにこちらは満員御礼!出される料理の数々は繊細で大変美味しいものでした。これは本当に素晴らしいです。料理だけでも足を運ぶ理由が良く解ります。量も程よく私たちには本当にぴったりの夕食となりました。
私たちが通された個室は、内藤さんの手がけた和室(茶室)でもあります。ですので部屋の隅には水屋が設けてあるのです。こういうのを見ると、設計って本当に大切だと思います。結局のところ、設計者が悩み抜いて出して来た答えというのは、何らかの形でそこにいる人達の心に響くのだと思います。逆に言うと何も考えずに出した答えは誰の心にも響かない。そういうものなんでしょう。旧館建て替えの際は同じ設計者に依頼が行きますようにと願うばかり。
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